Floating Island

絵画と詩のこと。

作品テーマ

グループ展まで残すところあと10日ほどとなりました。

 

前回ギャラリー彩さんにお誘いいただいたグループ展では、パネル張りのドローイング1点の提出でした。なので、今回はサイズは小さめですが、もう少し点数を多く展示しようと考えています。作品もドローイングではなく油彩にしました。テーマも今までとは違っています。

 

現在、自分の中には大まかに分けて3つの制作テーマがあります。

 

一つ目は線の集積からなるドローイング。

半ば自動筆記のように描く心象風景のようなもので、自分の内側へ深く深く降りていく作業が形になったものです。

形にするうえで、絵ではなく文字という形態をとることもあります。

 

筆で文字を書くとしっくりくるので、製作中に浮かんだ言葉をこうして書き出して形にすることもあります。写真は、雁皮紙に墨汁。

いつか、こういうものも発表できたらいいなと考えています。

どう展示したらいいか、まだ考えられていないのですけど。

 

二つ目は故郷、信州の土着信仰に関する制作。

私の生まれた諏訪という地域は、縄文時代の全盛期、中心となっていた土地でした。実家の近くで小規模な遺跡発掘があったこともあり、以前から興味はあったのですが制作のテーマになったのは偶然の一致からでした。

 

理由も分からず一生懸命描いていた絵があり、何度も手直しをして完成させたあたりで何となく手に取った本があったのですが、描き上げた絵と面白い関連がありました。縄文時代の中に胎盤(胞衣/えな)や石棒を信仰する風習があり、私の絵はまさに 胎盤を連想させるものや孔の複数ある石だったのでとても不思議に思い興味を覚えました。

それ以来考古館に行ってみたり関連書籍を読んだりと、ペースは遅くムラもありますが、諏訪という地域、縄文という時代に重きを置いた作品の構想を練っています。現在は三つ目のテーマに基づいて制作をしているので、上記二つのテーマは簡単なドローイングや文章という作業になっています。

 

今回の展示ではその三つ目、等身大の自分というテーマに基づいて制作した絵を展示します。

等身大の自分…言ってみるとかなり照れてしまうフレーズですが、大学院を修了し、住環境も含め大きく変化した現在の自分を見つめて向き合うことを、描くという行為でかたちにしようと試みました。

 

このうちのどれかは、もしかすると一過性かもしれません。ですが、同じ大地の中の違う地層のものであり、棲み分けは明確なようでいてその実緩やかに繋がっています。

今は緩やかな繋がりですが、将来的にはこれらのハイブリッドとしてひとつの画面に合わさることがあっても面白いと思っています。